「パソナ」選定に“疑惑”だらけ 省庁による官僚天下りの斡旋を全面禁止しようと総理大臣安倍晋三の命を受けた行政改革大臣の渡辺喜美は、自民党内からも強い反発を受け、目下“迷走”を続けている。 行政改革大臣の渡辺喜美 ところが、「省庁による天下り斡旋」を全廃し、拡充した「人材バンク」として複数社が応募した中から「(株)パソナ」(東京都千代田区・南部靖之社長) が3月7日に決定した。しかし、「パソナ」には、昨年9月まで小泉内閣で総務大臣だった竹中平蔵が“特別顧問”に就任していた。 | |
前総務大臣が“天下り禁止”を呼びかけたのに、 「パソナ」に“天下り”しちゃってった竹中平蔵 | 自宅に政治家らを招いて“商売”に 結びつける天才「パソナ」の南部靖之 |
「パソナ」は人材派遣会社として業界第3位に実績をもち、年商2600億円という“堂々たる”企業だが、政府の公務員制度改革を先取り、元官房長官の石 原信雄を代表に、各省事務次官OBで構成する助言組織を設置、所轄官庁トップの前大臣まで取り込んでいたのだからしたたかな商魂の持ち主。その“選定”の プロセスに悪臭が漂っているのだが、それは追い追い公にされるだろう。 この「パソナ」の社長である南部は、「H.I.S」の澤田秀雄や作家の石川好らとヘンなインド人青年(ベンガルの天一坊)の結婚の「結婚を祝う会」など の主要メンバーとなり、発起人には森喜朗、羽田孜、鳩山由紀夫、中川秀直、安倍晋三、樽床伸二、古屋圭司、鈴木寛らの政治家の名を連ねたツアーを行なった ことがある。平成14年11月のこのツアーには66名が参加したが、国会議員は鈴木寛1人しか参加しなかったことから、他の議員は「人寄せパンダに利用さ れた」とグチるセンセイもいた。ちなみにこのインド青年は「インドでIT関連の仕事で提携しよう」と持ちかけて3億円を引き出したまま。被害にあった会社 は損金処理をしてコト無きを得た。こんな連中と親交を持っている「パソナ」の南部に官僚の“天下りの斡旋”などさせてだいじょうぶなのだろうか。 「パソナ」の“仲良しグループ”の1人である安倍晋三 「パソナ」の南部靖之と安倍、竹中は“仲良しグループ” 確かに「道路公団」の“橋梁談合事件”にしても“天下り”がその温床になっていることは明白で、だからといって民間の人材派遣会社に任せればよいのか、というとそれはまた別の話。 “仕置人”が、この「人材バンク」の所轄である総務省人事恩給局総務課企画官に問い合わせてみた。その1問1答は、 ――今年2月に企画競争で「パソナ」に選定されたが、何社応募があったのか。 「複数社です」 ――何社あったのかと聞いているんですが。 「3社以上です」 ――では、4社なのか、5社なのか。また応募した会社はどことどこか。 「社名は公表しておりません」 こんなヤリトリでラチがあかない。 この4月1日から「パソナ」は1年契約で求人企業の開発や公務員の教育訓練などを担うのだが、「パソナ」と国との契約は無償だが、紹介先の企業からは紹介料を取れる。 小泉内閣時代に総務大臣だった竹中平蔵は昨年3月「天下りの最大の問題は官庁があっせんすること。官庁があっせんする仕組みをなくすことが1つの重要な ポイントとなる」と言っておいて、ちゃっかり今年2月に「パソナ」の“特別顧問”に就任し、「パソナ」に“天下り”紹介業務を国から受注した。したがって 今後は大規模委託につながる可能性は大である。 ところが、この政府の公務員制度改革の一環である「人材バンク」委託構想は、「パソナ」の社長である赤坂の“南部邸”に集まる“仲良しグループ”によっ て「仕組まれた」ものだった――、というのは、総理大臣安倍晋三も竹中平蔵も“南部邸”の常連客だったというのだから、総務省が言う企画競争だって信用で きる公正なものとは思えない。 「パソナ」南部の秘書だった女を嫁にして、 金をもらっている民主党前代表の前原誠司 これに加えて、民主党の前代表前原誠司の女房が「パソナ」南部の“秘蔵っ子秘書”だった。そうした関係から政治団体「まえはら誠司友人たちの会」代表は 南部だったという。そしてこの「友人たちの会」には「パソナ」の関連会社から資金が出ていたというのだから「パソナ」と総務省の“疑惑”について民主党は 追求しにくい。 つまり「公務員改革」という美名の元で、大きな利益を「パソナ」にもたらそうとする“仲良しグループ”のサル芝居を国民は見せられていることになる。 国税庁だって顧問先を斡旋するな “仕置人”は「国税OB税理士」を“節税”という名の“脱税指南役”と書いたことがあるが、「国税OB税理士」の顧問先斡旋はタチが悪い。 国税庁職員は、経理処理能力が無くても税理士資格が与えれられる“特権”がある。転職して税理士になった「OB税理士」を国税庁は原則2年間の“斡旋”ができるが、その期間が過ぎると、また幹部が訪ねて後任のOBを紹介する。 これを断ると、重箱の隅を突くようにネチネチとした税務調査が入る。そこで調査員は「納税の知識と経験を持った専門家を雇わないからこんなことになる」と言って、結局OBを受け入れざるを得なくなる。 前総理の小泉純一郎は、この“斡旋税理士制度”について「民間の需要に対する的確な面でも有益であるので、今後とも必要である」と言った。 |
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